フィルムでヒトを撮る

August 02, 2020

こんにちは、化学修士1年のいなはしです。友人をモデルにした女性ポートレートを主に撮っています。

普段はデジタル一眼レフCanon EOS 90Dを使っていますが、フィルムでヒトを撮ることにもハマっています。


私が主に使っているフィルムカメラはMamiya RB67 ProSD、6×7cmのコマで撮れるでかくて重い中判フィルムカメラです。今更私が中判フィルムカメラで撮る理由は3つくらいあります。


1.フルマニュアルの機械式カメラをガチャガチャ触るのがたのしい

カメラオタクなので。便利になった現代のカメラに比べれば不便極まりないですがそれが気持ちいい。電子式はあっさり動かなくなるので信用なりません。

フィルム送り・シャッターチャージ・ピント合わせなどすべてがメカで繋がっていて手作業です。レンズシャッターですが巨大なミラーが跳ね上がるバコッという大きな音がします。

上から覗き込むウエストレベルファインダーも楽しい。


2.確かにそこに物質として光を記憶させている感覚がたのしい

私はポジフィルムを主に、ときどきカラーネガも使います。ポジフィルムは文字通り色を反転させずそのままフィルム面に出すものですが、これが6×7cmの大きさにもなるとすごい。


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“光”が確かにその瞬間そこに当たり、記憶された大きなフィルムはとても美しい。光に透かした大きなポジフィルムはそこに当時の光が存在する感覚すらあります。これに惹かれてシノゴに手を出そうか悩んだほどです。35mmフィルムの小さなコマではもったいない。


3.フォーマットの広さからくる圧倒的な描写

とにかく綺麗なのはもちろんのこと、ここで言いたいのは立体感です。


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換算50mm周辺、同じ画角でフルサイズやAPS-Cのデジカメで撮ろうとしてもこうはできません。女の子や手すり周辺の確かな解像と後ろの道路やビル群との距離感が1コマに写されます。これはレンズ実焦点距離(90mm)の被写界深度でそれより広い画角(43mm)を写すからみたいな理論的な背景がありますが、そんなことは気にせず直感的に綺麗と感じます。フルサイズとはなんだったのか。デジカメ未踏の”センサーサイズ”に魅力があります。


あとは6:7の比率って長すぎなくてちょうどいいとか、フィルム1本10コマで撮り切るのが他の種類に比べてちょうどいいとか挙げ出せばきりがないですね。中判フィルムも今や5本5000円以上、カラーだとお店に現像出すのでさらに1本数百円など決して安いランニングコストではなくなりましたが、それでも中判フィルムが生き残っているうちは続けたいと思える美しさがあります。


さて、あんまり自分語りしすぎてもつまらないので写真を並べていきましょう。ここに載せるのはすべてRB67で直近約1年間に撮った写真です。


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(Mamiya RB67 ProSD + Mamiya K/L 90mmF3.5L、フィルムはProvia100F・Velvia100・Portra400・Pro400H・E100)


物質として写真を残(遺)すという私のひとつのテーマに、フィルム写真はとても合っています。そして期待を裏切らない美しい写りを提供してくれる。たのしい、すばらしい。


さて、唐突ですが私は今年4月の頭に個展を開催しました。たくさん写真を貼りましたが、その中にはフィルムを直接プリントした作品もいくつかあります。半切サイズに引き伸ばしたフィルム写真はデジタルに引けを取らない美しいものでした。


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最後に少しだけ写真部のこと。写真部員には他にもフィルムカメラを使っている人がいます。暗室でモノクロネガフィルムの現像や引き伸ばしもできます。フィルム写真を撮られる方、撮ってみたい方もぜひお気軽に写真部にお越しください。


©︎ 2020 筑波大学写真部

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