山岳スナップ写真

August 18, 2020

筑波大写真部のブログをご覧いただきありがとうございます。


シス情研究群構エネ学位P M1の新堀です。


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PENTAX KP + HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR


先日、PENTAX STATEMENTが公開されましたね。

自分は非常に共感しました。頑なにSLRを使い続ける自分にとって、その理由を文章化してくれたような感覚です。「対話するように撮る」「撮るプロセスを愉しむ」まさにSLRにしかできないことでしょう。ーそんな悠長なことを山で写真撮るヤツが言うな、なんて声が聞こえてきそうですが、それは全く本質をとらえていません。

少し前までは「山で写真撮るならSLR」という考え方が一般的でした。しかし、様々な面でミラーレス機の性能が向上し、特にミラーレスが弱いと言われていた電池の持ちや堅牢性に関しても山での撮影に十分耐えうるものになってきています。むしろ、小型軽量というメリットは登山では何にも代えがたいありがたみで、山岳写真分野においてもミラーレスに切り替える人が多くなっているように思います。

自分が山で写真を撮るうえで大事にしていること、それは「絵を作らない」ということです。山岳というフィールドでは自然が作り出す表情そのものが非常に美しく、それを自分ごときが手を加えてより美しくするなんて到底無理だと考えています。そこで大事になるのが、自分の感じたままに近い状態を写真として切り取ること。その場でしかつくりだせない作品になります。

そして、さらにそこに「刹那性」を加えるが人。写真の観点で考えれば、自然の変化はゆっくりですが、人の変化はそれに比べればとてつもなく速いです(これは登山の観点からはかけなはれる部分です)。ポートレートと異なり、人物が特定されるような要素はいらないと考えます。この辺はスナップ的な考え方です。本当に厳しい山にはGRを持っていくのですが、コンパクト性とスナップへの相性の良さが決めてです。ただ、ほとんど身動きが取れない場所で、シャッターチャンスも相当限られるので打率はものすごく下がります。やはりSLRを持っていけるくらいの余裕がある山でないと、人に見せれる作品をつくるのは難しいのかな、というのが今までの経験からくる結論です。

山に1kg近い“重り”を持って行ってスナップ写真を撮る。なんだか馬鹿げていますが、これが自分の写真の撮り方です。


©︎ 2020 筑波大学写真部

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