写真に撮られる人たち。

October 01, 2020

こんにちは。芸術専門学群4年生の松岡麻実です。


みなさん、写真に撮られることは好きですか?

私は苦手です。でも私は、人の写真を撮っています。

機材やら技術については何も語れないので、自分が写真を撮っているうちに気づいたことについて書こうと思います。


私は以前、筑波大学のミスコン出場者の写真を撮らせていただいたことがきっかけで、女性の人物写真を撮影するようになりました。


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写っている女性たちは、だいたいSNSで声をかけたりかけられたりしたアマチュアのモデルの方たちです。DMで日程調整やコンセプトのすり合わせをし、初めてあったその日に写真を撮ります。普通の部屋のロケーションで撮影したくてマンションの一室をレンタルしたり、公園で風船を膨らましたり、服を着たままお風呂に入ってもらったり、夜の新宿を散歩したり…。自分は女性だしモデルさんたちと年齢も近く、一緒に遊びにいくようなつもり立てたり衣装を選べるので、そういう時は女でよかった〜と思ったりします。


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始めた当初は、正直モデルは撮らせてくれれば誰でもいいくらいの気持ちでしたが、やっぱり複数回会ってその人のことを知って、話しながらコミュニケーションをとりながら撮った写真の方がキメ顔よりずっと真実味があっていいなあと思うようになりました。ふとした瞬間にたまたまカメラに残った、鋭い目線だったり、油断してぼんやりとした表情だったり、ふざけた笑顔だったり、ポートレートではあるけどそこに写真を撮る・撮られるだけじゃない生身の人間としての関係や感情が感じられる写真が撮りたいなといつも思っています。狙って撮れるものでもないけれど。


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そうやって写真を撮っていく過程で、ひとつ気づいたことがあります。

実は自分は写真に写る側になりたかったんだなあ、ということです。


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私は昔から写真に写る自分が嫌いでしたが、私の写真に写る彼女たちは違う。写真に写る姿はその人から見える自分の姿そのままだと思います。他人の目を通した偽ることのできないありのままの自分の姿を恐れずに、嫌わずにいられることは、私からしたら尊敬できることだと感じるようになりました。そこにはちょっとだけ妬み嫉みも入っていたりしますが、私の写真に写る女性たちは写ることができない私の憧れの存在なのだと、そう考えるようになりました。


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もし自分が自分の理想の姿をしていたら自撮りもバンバンしてたし、TikTokもやってただろうし、喜んで自ら写真に写りにいっていただろうなと想像したりします。

だから、私が女性を撮るのは憧れだからであり、彼女たちを通して(勝手に)自己実現をはかっているような…まだよくわからないけどそんな気がしています。


みなさんもなぜ自分がその被写体に興味をもって追求しているのか、ただ好きだからで済ませるのではなく深く考えてみるのはいかがでしょうか。

就活やら卒論やらで、自分が写真を撮る理由と向き合ってみた4年生でした。

読んでいただきありがとうございました。


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おしまい


©︎ 2020 筑波大学写真部

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